片付けでは最初に
片付けてどんな暮らしがしたいですか?
と伺っています。

この質問をすると
「え?」と戸惑う方、
「そんなこと考えた事ないです」という方もいます。
ですが、それでもこの問いは大事だと思っています。
なぜかというと、この問いは、家や暮らしを自分事(じぶんごと)として意識するきっかけになるからです。
ただ片付けるのではなく・・
片付けにおいて「したい暮らし」は、向かう指針になります。
ですから明確であればあるほど、片付けはしやすくなる。
ですが多くの場合、初めから明確である方は少なく、むしろ実際に手を動かして片付けていく間に、したい暮らしが見えてくるという方の方が多いと感じています。
また、片付けていくと、始めに話していた「したい暮らし」とは、違うことが目的となって、そこからより片付けが進む人もいます。

以前、
「義理のご両親が初めて遊びにくるから片付けたい」
と家中片付けをご依頼いただいた方がいました。(ここからはYさんと書かせていただきます)
Yさんのご主人の実家は遠方で、帰省は年に1〜2回、ご主人とお子さんとしていました。
ですがご主人のご両親は、Yさん宅へはまだ一度も家に来てもらったことがない。ある時、ご主人に「両親が元気な間に一度家へ招きたい」と言われたのだそうです。
その言葉が「ずっと残っていた」というYさん。
というのは、元々片付けには苦手意識があったり、仕事と子育て・・と忙しくしてきたこともあって『実はこれまで一度も家に人を招いたことがなかった』と話してくれたYさん。
そんな子育ても落ち着き始め、長男さんが家を出るタイミングに、義父さんが体調を崩したのだそうです。
「両親が元気な間に一度家へ招きたい」
そう話していた、ご主人の言葉が気になっていたYさんはご自身で片付けを始めます。

ですが、思う通りには進まない片付け。子供の独立で空間的にも時間的にもゆとりができたはず。
なのに『物は減らず、どこをどう片付けていいかわからない・・・』
そこから「片付け相談」を経て、Yさんと一緒に3ヶ月かけて家中を片付けていきました。
片付けて増えた視点
片付け始めた頃はよく
「これは〇〇(お子さんの名前)が好きだから」
「これは主人が大事にしていて・・」と話していたYさん。
片付けを進めていくとだんだん、ご自身の大事なもの、ときめく楽しい時間のお話しなどが増えていきました。
実はYさん、お仕事の合間にお菓子教室に通われていて、かわいいお菓子を作る時間を楽しんでいて「かわいい!」と言われたり「喜んでもらえるのが嬉しい」と話していました。

そうして、お菓子作りの道具を集め使いやすくなったパントリーを見ながら、Yさんは
「家が片付いたら教室ができるかな?」
と話すようになりました。
望む暮らしが現実を運ぶ
その日から”義両親を家に招く”というYさんの目標に
「自宅教室をしている暮らし」と
「自宅教室をしているYさん」という視点が加わりました。
この視点が加わったことでYさんの物選びは以前よりずっと早く楽しいものになりました。
例えば、要不要を考える時
「講師のYさんだったらどうですか?」
と伺うと、「うーん・・」と悩んでいたYさんが「捨てます」とすんなり手放すのです。
そうやって家中を片付けていったYさんにとって”自宅教室をする”というイメージはすっかり定着したようで、その後Yさんは、本当にご自宅でお教室を始められています。
もちろん義両親も招いた上で・・です^^
今ではご主人もYさんのお教室に協力的なのだそうです^^

片付けながらYさんは
「実は子供の頃から家に人を招きたかった」こと、
でも、「片付いていない自分の家では無理だ」と思っていたこと。
実はクッキーを喜んでもらって嬉しい一方で
「片付いてない家で作ってると思われそうで怖かった」
ことなど、モノだけではなく思ったこと感じていたことなど、一つ一つ話して、一つ一つ見直して、手放していかれ、ついには、初めて招いて、したかった自宅教室も開催し、今も暮らしを楽しんでいます。
家だけでなくありたい自分を描く
これは、暮らしや家だけでなくYさんがどんな女性(ひと)でありたいか?を思い描いたことも大きなきっかけになっていると感じています。
私たちは元々、物事をネガティブに捉えがちですが、「できない」とか「私には無理」とった、いわゆる自己否定を手を動かすことで見直すことができます。
そうすると「今のままじゃダメ」という否定ではなく、自然と”ありたいじぶん”を目指しやすいですですよね。

私たちは元々ネガティブ優位。
だからこそ工夫が必要で、そこに片付けやノートを活用できると考えています。
例えば、片付けやノートで
出して分けて前提を見直すというのは、
自分の思考を整理することと同じですので、軽くなりゆとりが生まれます。
ゆとりが生まれると、これまで見えなかったこを感じるようになったり、
どんな過程も楽しめるようになって気がつくと欲しかった状態になることもあるから。
片付けで関わる方、ノートをご一緒している仲間も”以前を思い出せないくらい”の変化を感じながら幸せな気持ちになっています。
過去を憂い、未来を案じるより”今すでにあること”に目を向けてみませんか?
その習慣は片付けとノートで身につけることができますよ^^